現在、CavyPageでは、ある学校で飼育されているモルモットの飼育環境を改善してもらうため、
微力ながらお手伝いさせてもらっています
それは、いつもこちらに来ていただいている方の、お子さんの小学校で飼育されているモルモットの
悲しい話から始まりました。2000年の年末の事です
用事で小学校へ行かれたときに、ふと覗いたモルモットの飼育ノートの内容からでした。
そのノートは飼育係の子どもたちが書いているもので、中には12月の急な冷え込みのせいか、
モルが次々に死んでしまった悲しい内容が書かれていたそうです
帰り道には真冬の風が吹き抜ける飼育舎の中で、ひたすら寒さに耐えているモルの姿がありました
この投稿後、私たちが行動を始めたのは年が開けてからでした。秋には15匹ほどいたモルは、
このときすでに2匹になっていたそうです
しかし、その方の努力と皆さんの協力によって、学校の対応も少しずつ良くなり、この2匹のモルたちは
無事に春を迎えることが出来ました
この頃の掲示板のやりとりは「
過去ログ」で見ることが出来ます
(関連したものを抜粋してあります)
ここまでは2001年の春までの出来事です。
しばらくの間平穏だと思っていましたが、残ったモルモット2匹が「つがい」だったため、
子供が増えてしまいました。そして、その中にウサギ1羽が同居している等、
夏になって再び問題が起きてしまいました
また、以前からの餌の問題も改善されていなかったようすです
これらは、時間を見つけてこちらでご紹介しようと思います。この記事が一日でも早く
「ある小学校での改善例」として紹介できるように願っています
今まで書いてきた不幸な話は他にもたくさん聞きますが、そんな不幸な話しばかりではありません。
他の学校もお手本として頂きたいような、学校飼育のとても良い例があります
それは、筑波大学付属小学校でモルモットを飼育した「森田学級」のお話です。こちらはとても良い内容で、
動物を飼育することについて、改めて考えるキッカケも作ってくれました
森田学級のお話は「
子どもと動物、特に学校での飼育について」の中で
読むことが出来ます。今回は、このお話を書かれた中川さん*のご好意により、CavyPageに
掲載させていただきました。学校飼育に関して、あまり興味をお持ちでない方も、
ぜひこちらだけはご覧になってみてください
また、以前に中川さんの講習会に参加したときに、森田学級の様子をビデオで見せていただきました。
子どもたちとモルモットのふれあう姿や先生のインタビューなどを紹介していますが、
その中でも週末にモルモットを家庭に連れ帰るため、モルの入った移動用ケースを大切そうに抱えて下校する
子供たちの姿が印象的でした
こちらも機会があれば皆さんや学校の先生方にも見ていただきたいと思います。このビデオ
「学校飼育動物と児童」は中川さんのHPで紹介されています
*中川さんは獣医師であり「日本小動物獣医師会学校飼育動物対策委員会副委員長」及び
「全国学校飼育動物獣医師連絡協議会」の主宰をされています。また、学校飼育動物に関しての多くの
本やマニュアルも出されていて、
HPの「
学校飼育動物を考えるページ」でも活躍されています
「ある小学校にて」にご報告したように、まだトラブルは解決していないので、
あまり参考にならないかも知れませんが
いままで活動した中で、感じたことや効果的なことをまとめてみました
活動自体が大変な時間と労力が必要となりますが、焦らずに少しずつでも解決に向かうよう行動していきましょう
・とにかく学校にアピール
学校で飼育している動物のことを第三者が気に掛けていることを伝えます。学校側に「誰かに見られている」
と言う意識ができれば、動物たちに対して多少なりとも関心を持つようになるでしょう
もし、あなたのお子さんが通われている学校であれば、学校へ行って動物たちの世話の
お手伝いをしても良いでしょう。先生方とコミュニケーションが取れるようになれば、少しずつでも飼育の
改善は期待できます
それ以外でも、その学校の飼育担当の先生をご存知ならその方でも結構です。直接言える方は
(勇気が必要ですが)先生とお話してみてください。その先生が学校飼育に対して疑問を持っていたならば、
あなたの行動が改善のキッカケになるかも知れません
また、何かの事情でそこまでできない方や、学校との繋がりがない方は、電話や手紙などでこちらの意思を
伝えてみてください
学校名しか分からないときは「
教育関係の検索サイト」
から各地の「教育委員会のホームページ」や、小学校を検索できます
また、「
地方自治体情報センター」
のNIPPON−Netから、各自治体のHPへ行き、学校検索して調べることもできます
学校によっては、Eメールアドレスを公開している所もありますので、
そのときはぜひメールを利用してみましょう
宛名は学校長と動物飼育担当者として、それぞれに送付すると安心です
内容は実際に見かけた悲惨な状態と、どのようにすれば防ぐことができるのかなどを簡潔に、
改善して欲しい箇所を具体的に書きます。できれば客観的な内容にして、「〜の飼育書によると」等を
書きそえると良いでしょう
(作った原稿を保存しておくと、後々便利です)
飼育書をお持ちでない方は、
東京都獣医師会HPの
学校飼育動物や
pet-vetのPet Lovers' Forum
また、海外のHPでは、ワシントン大学
NetVetの
Electronic Zoo−Animals−Rodents−
Guinea Pigsや
モルモット団体の
ACBAの
Cavy Care Articles−The Pet Cavyなどで飼育方法を紹介していますので、参考にされるのも良いと思います
以前に作った
飼育方法(概要)もありますので、良ければ活用してください
個人で学校へ要望しても、小学校の先生方の飼育に対する考え方は変わらないことが多いと思います。
学校から満足する回答すら貰えないときもあるでしょう
しかし残念に感じる必要はないと思います。自分の要望が学校に受け入れられることよりも、
自分の気持ちを学校へアピールして、学校関係者以外の人も、飼育動物に関心を寄せていることを理解して
もらうことが大切だと考えてください
同時に、なるべく多くの方面で発言して協力者を求めることも大切です
・協力者を探して
いったいどのような人が協力者となるのでしょうか
個人での行動は限界があります。また、学校へ要望をするのにも、一人より複数の賛同意見があれば
効果的なことでしょう
手紙、メールや掲示板を使って探してみてください。あなたの近くにも、きっと協力してくれる人が
いると思います
同じ地域のペット飼いさんなら、一緒に行動をしてくれるかも知れません。遠くに住んでいるかたでも
何かの形で力になってくれるでしょう
問題や悩みを共有することによって、気持ちも楽になると思います
それと、獣医師や獣医師会にも相談します。理由は、学校に飼育動物のアドバイスや診断ができる点で、
獣医師さんの協力が必要だからです
「学校飼育動物を考えるページ」でもお分かりのように、現在いくつかの地域では、
自治体と獣医師会が連携を取り、学校飼育動物のサポートをする「学校獣医師制度」が進んでいます。
そして少しずつですが、その制度が全国へ広がりつつあります
この制度は私たちと無関係のように思われがちですが、新しい地域に制度を伝えるのに、
個人の同じような相談がキッカケになることもあります
ただ、自治体と獣医師会が連携を取っている地域はまだ少ないです。あなたの地域の獣医師会などが、
自治体や学校と連携を取れる体制になるまでは、時間がかかることもあるでしょう。焦らずに取組んで行きましょう
はじめに、お住まいの地域の獣医師会を「
日本獣医師会のHP」の獣医師会とは?−日本獣医師会の組織と沿革−
会員名簿で
探してみてください
なければ
動物病院検索や
タウンページなどで、学校の近所の動物病院を探します
(獣医師会の場合はホームページやEメールアドレスを公開している所も多いので、メールで連絡できるようです)
手紙やメールに、学校に送付した手紙の内容や「学校獣医師制度」のことを添えて、
協力していただけるか相談してみましょう
また、獣医師会等から学校や動物のことについて質問をしてくるときもありますので、
今まで見てきた学校の動物たちのことを、メモで残しておくと便利です
もし、獣医師会から良い返事をもらえない時は、
「
学校飼育動物を考えるページ」の掲示板かメールで相談してみてください。
あなたの地域の獣医師さんを紹介してもらう等、解決に向けてのアドバイスがいただけると思います
その他にも、協力してもらえる人とつながりを持つための方法はあると思います。私も今後活動を続けて、
良い結果があれば
こちらで報告していきたいと思います
ペットとして小動物を飼育している皆さんからすれば、学校にいる動物たちが、
どんなにひどい飼育環境に置かれているか、少しだけ分かっていただけたと思います。出来ることなら、
そのすべての飼育動物たちが恵まれた飼育環境で暮らせるように願っています
ご意見などがありましたら、お気軽に
掲示板を
利用してください