ペレットの追加情報です
モルモット用として市販されている国産ペレットは栄養豊富でモルに必要とされる成分などが含まれ、そのうえ
価格も比較的安く手軽なので、優れた食餌だと思います
特に子供のモルや妊娠/授乳中のモルにとって無くてはならないものでしょう
このコーナーでは、成モルに毎日与えるペレットについて、いくつかの考えられる注意点などをまとめましたので、
参考までにご覧ください
(ここで言う「成モル」とは、成長が終わったモル。つまり、成長のための体重増加が終了した仔のことを指します)
もちろんモルの体質による差もありますので、ここに書かれていることが全てのモルに効果のあるものではありません
1.ペレットの原料について
現在市販されている全ての国産ペレットは、マメ科牧草のアルファルファを使用した「アルファルファミール」が主原料です
外国産のペレットの中には、稲科牧草のチモシーを使った「チモシーミール」が主原料のものも販売されています
モルは一般的に、牧草のアルファルファの味が好きなため、これを原料にしたペレットは良く食べてくれるようです。
と言うか、食いつきの良さから食べ過ぎてしまう場合も多いと思います
2.ペレットの成分について
ここでは、「アルファルファ」と「チモシー」を主原料とした2種類のペレットを比較して、主に脂肪とカルシウムの
ことについて考えてみます
・脂肪分について
習慣的に脂肪を摂りすぎてしまう場合、人間の場合と同じくモルも肥満の原因となります。しかし、それと同時に
心臓や肝臓に疾患などの問題が出る可能性もあります。具体的には、モルの場合はペレットに含まれる脂肪分が
3%以上のものを日常的に摂取すると、その可能性が高まるようです
このような脂肪分の多いペレットには、コーンなどの穀物類が多く使用されているためではないかと考えられます
(注:生のコーン等については、たまに与える程度なら心配はいらないでしょう)
・カルシウム量
まず牧草のアルファルファについて、どれだけカルシウム分が高いかをお話します
アルファルファ100gに含まれるカルシウム量は約1480mg(1.5%)で、人間の食べ物で例えると
イワシやチーズ(中でもカルシウム分の多いもの)のカルシウム量(1.5%)と同じです
参考までに人間が1日に摂取すると良い、と言われるカルシウム量は約600mgですので、アルファルファがいかに多くの
カルシウムを含んでいるのか理解していただけると思います
次に、そのアルファルファを主原料にしているペレットのパッケージを見てみましょう。書かれているカルシウム量は
1%以上や1.X%以上と表示されていると思います
少し話がズレてしまいますが、この成分表示によく使われる「以上」や「以下」と言うのは、皆さんいかが思われますか?
不安に思ったことはないでしょうか(私は結石を経験したモルを飼育しているので、とても不安なのですが・・・)
例えば、1%以上というのは極端な話、2%や3%の場合もあるかも知れません
もちろん季節などによっても成分に幅があるでしょうが、出来ることであれば、「○.○%以上×.×%以下」と
表示されていれば、少しは安心だと思います
話を戻しますが、それらのペレットを「主食」としているモルのケージの底(尿を自然乾燥させた場合)には白いものが
大量に残ります
これの大部分が尿によって排出された過剰なカルシウム分です
カルシウムの過剰摂取によるモルへの影響は詳しく知られていませんが、アルカリ性の尿との関係で尿路のトラブル
(結石や血尿など)が起きる可能性は高いと考えられます(もちろん個体差はあります。多頭飼いで同じ食餌を与えているのに、
1匹だけに結石が確認されることは、決して珍しくないことです)
・その他
蛋白質についても成長期には十分な量であっても大人のモルには過剰となってしまうため、肥満、食餌量や病気の要因と
なる可能性があります
・チモシーペレットってそんなにいいの?
これまで、まるで「アルファルファ」のペレットをワルモノのように書いてしまいましたが、最初に説明したように、
栄養的に優れた食餌と思っていますし、このペレットで元気に暮らしているモルもいます
しかしながら、一般的に「豊富な繊維質、低カルシウムで低タンパク」は成モルの健康に欠かせないものと言われています
ペレットの原料になる牧草のチモシーは、皆さんにも乾燥牧草でおなじみだと思います
いままで説明してきた脂肪、カルシウムや蛋白質は牧草のアルファルファに比べ低く、繊維質は豊富です
例えば、「アルファルファ」のペレットを使う時に、その量を減らし、そのぶん乾燥牧草をたくさん食べてくれるように
するのも良いと思います
工夫のひとつとして、レタスなどを少量こまめに与えると、その後に牧草をムシャムシャと良く食べてくれるようです
「チモシーミール」が主原料のチモシーペレットは、上の牧草の説明と同じく、脂肪、カルシウムや蛋白質は
アルファルファペレットに比べ低く、繊維質は豊富です
ただし、欠点としては入手し難かったり、値段が高いことがあります。また、購入しても食べない場合もあるようですので
手放しでは喜べませんね
この欠点については後でお話することにします
3.チモシーペレット
チモシーペレットに興味を持ったのは、飼っているモルの結石が発見されてからでした。しかし、
現在は結石の再発防止はもちろん。モルの健康も考慮した上でチモシーペレットを100%使用しています
チモシーペレットは次の2社から販売されているのを確認しています
Oxbow社/Cavy Cuisineと
American Pet Diner社(APD)/"Timmy"for Guinea Pigsです
現在はOxbow社のペレットを使用しています。その主な成分を比較しましたので、お手持ちの国産ペレットと比べてください
−蛋白質14%以上
−脂肪1.2%以上
−繊維28%以下
−カルシウム0.45−0.85%
−ビタミンC190mg/lb=ペレット2270g中950mg
国産のものと比べるとカルシウム以外にも低蛋白で繊維質が多いのが特徴です
これらのペレットへ変えると、モルのケージ底に溜まるカルシウム分も減るようです
・どちらのメーカーのペレットがいいの?
ペレットの大きさや形は、どちらも国産のモルモット用ペレットとほぼ同じです
ペレット自体の硬さは、Cavy Cuisineのほうが硬いようです。また、嗜好はどちらも「まあまあ」と言った感じでしょうか
これらのペレットは通販でのみ入手可能ですが、国産ペレットに比べると残念ながら割高です。
「モルモットと旅するがっかりワールド」の中の「しあわせの秘訣−第8章飼育に必要なもの」でも牧草・ペレットを
通販で扱っている店のHPへのリンクがありますので参考にしてください
通販の場合はペレットの価格に送料がプラスされるので、余計に割高になってしまいます。一定金額以上購入すると
送料がサービスになるショップもありますので、牧草などと一緒に注文するか、絶対に食べるのが分かっているときは
まとめ買いするのも良いと思います
もし国産のメーカーが製品にしてくれると、かなり価格も安くなると思いませんか?
4.チモシーペレットへ変えるとき
アルファルファからチモシーベースのペレットへ変えるときはとても時間が掛かることがあります
特に生まれてから同じ国産ペレットを食べ続けているモルの場合は、その味になれているために、
かなり大変だと言う話もありますので、短期間で変えようと思わず、気長にゆっくりと試してみましょう
基本的には本文の方法で大丈夫ですが、すべてチモシーペレットに変えるひとつ前の段階の期間を長くします
チモシーペレットへ変えたときはペレットの摂取量が減り、その分乾燥牧草を食べるようになる可能性があるため、
牧草を多めに与えておきましょう
これにより、ペレットより牧草の摂取量が増えて歯などには良いようです
チモシーペレットに変え、今まで使っていたペレットが余ってしまったときには密閉して冷凍庫で保存しておきます
もし、モルが病気などで強制給餌が必要となったときに、食いつきの良いアルファルファペレットは、強制給餌のときの
良い材料になってくれるでしょう
もし、チモシーペレットを食べてくれなかったときは、ペレットを水やジュースなどで軟らかくするなどの工夫をして
与えてみましょう
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