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牧草のプランター栽培

モルが大好物の生牧草をベランダで栽培してみました

1.種まきまでの準備

・牧草の種
手軽に手に入る牧草の種として、ペットショップやホームセンターのペットコーナーで「ラビット用生野菜」 として売られているものがあります。これはイタリアンライグラスなので成長が早くお勧めです

右の写真は「ラビット用生野菜」です
パッケージに書かれている栽培方法では、付属のトレイに水を入れて栽培すると書かれていました
説明のとおり栽培しましたが、牧草が10−12cmになった頃にすべて刈り取らないと水が腐ってしまい、 それ以上の成長は残念ながら期待できませんでした
ラビット用生野菜
これは付属トレイの中に入っている紙の袋の中身を出したところです
このまま蒔いても良さそうでしたが、まずはピンセットで種だけを集めておきましょう
タネ


その他の牧草の種の入手方法として、「小動物フードグルメ館」でイタリアンライグラスとオーチャードグラスの 通信販売をしています(リンクコーナーをご参照下さい)

また、大量に栽培したい方は、園芸店で取り寄せてもらえるか聞いてみます。品種は、成長が早い イタリアンライグラスがお勧めです。入手できない場合は、メールまたは掲示板でご相談ください

園芸店で取り寄せの場合、量は1kg単位となるようなので気をつけてください (密閉容器に入れて冷蔵庫で保存すれば翌年まで使えるそうです)


・プランター
「ラビット用生野菜」の1袋分の種の量なら、幅65cmの大きさのプランターが良いようです
ホームセンターやディスカウントショップで1個100円程度で売っていることがあります


・用土
養分が含まれた「園芸の土」が袋入りで売られています


・元肥
プランターに用土をいれる際、プランターの底の方に「牛糞」などを入れて元肥をすると長期間の栽培も可能になるようです


・その他
水やりの為のじょうろを用意しましょう、園芸コーナーにはペットボトルのキャップの部分に取り付けて使用するものがあり、 価格が安いのでお勧めです。また、100円ショップでも売っていました

室内で栽培するときは、プランターの下から水が排出されるので、必ず水受けを使ってください

プランターの代りにペットボトルを利用した栽培方法を教えていただきましたので、ご紹介します
使うペットボトルは2リッターくらいの四角いもの。写真のようにひとつの面をハサミやナイフでカットします

カットする時はくれぐれも怪我をしないように注意してください。また、切り口がギザギザの時はテープなどを貼るか、 紙やすりなどで仕上げると良いでしょう

次にキリのような先の尖ったもので、底になる部分に穴をあけます
ペットボトルのカット 底の部分の穴あけ
キリで穴をあけて、そこからナイフを
入れ、カットして見ました
底の部分です。穴を多めにあけて
排水を良くしておきます


キャップを取りつけてから土を入れて出来あがりです。プランターに比べると土の量が若干少なめなので、 蒔く種の量も控えめが良いようです


水受けには、大き目の再生トレーを使ってみました

ペットボトルのまわりをカバーするのも良いでしょう
出来あがり


2.種まきから発芽まで

・種まきの時期
真夏や真冬は植物が育つのに不向きなので、なるべく避けましょう
もし夏や冬に始める場合−種は冷蔵庫に入れておいた物を使用して、発芽まではプランターを室内に置きます
発芽後、夏の場合は直射日光があたらない明るく風通しの良い場所で育て、冬の場合は日のあたる所(出来れば室内)で 育てます。また、失敗する可能性があるので、種は少なめにまきましょう


・プランターの準備と種まき
発泡スチロールや食品トレイの砕いたものをプランターの底一面に敷いて、用土をプランター深さの8分目くらい入れます
種は、ばらまきでも良いですが、3−4cm間隔に条(すじ)まきをすると刈り取りが楽です
まいたら0.5−1cm程度の覆土をして、表面を手で軽く押さえましょう


・水やり
覆土したらすぐに水をあげ、発芽までは毎日水やりをします


・発芽
季節にもよりますが4日−7日で土から芽が出てきます。発芽後は土の表面が乾いたらたっぷりの水を 与えましょう(プランターの下から水が出るくらいが良いようです)

稲科の牧草は、水分が足りているサインとして葉の先端部に水滴を出します 水滴を付ける牧草


・プランターの置き場所と栽培環境
基本的に日当たりの良いところに置きます

牧草が育つことの出来る温度は品種にもよりますが、だいたい15−30℃です
発芽後、ある程度育った牧草では、真夏は最高気温が35℃くらいになると、まったく成長しなくなりました (昼間は日陰にした場合)

また、冬では最高気温10℃以下の日が続くと成長が止まってしまうようです。何種類かの方法を試した結果、 適当な温度を保った室内の良く日の当たる場所のが、いちばん良く育ってくれました

他の場所に置いたプランター牧草はと言うと・・・
庭に植えていたチモシーは、今年2度の積雪にもかかわらず、枯れることはありませんでした。ただし、 成長もまったくしません
普通にベランダに置いたイタリアンライグラスは、ひと月に5−10cmほどのゆっくりとしたペースで成長しました。 しかし、空気の乾燥によって土の乾燥が早く、1週間も水を与えないと枯れそうになります
ベランダで自家製のビニールハウスの中のはまずまずの成長でした。土の乾燥も少なかったので、 気を使わずに育てることが出来そうです

ちなみに、今年の冬は、寒い日で最低気温−3℃最高気温5℃くらいでした

温度が適正であっても日光のまったくあたらない場所では牧草が育ってくれません
また、葉が針のように細長く育つのも日光が不足している場合があります

大切なモルに与えるものですから太陽をいっぱい浴びた元気な牧草を育てたいですね

ベランダの一番日当たりの良い場所を占領している牧草たち
奥と手前の中央はチモシー、左中央のはケールです
ベランダ栽培
真冬は室内の日当たりの良い場所で栽培します チモシー

ひと冬越した牧草が、春になって花をつけました



3.収穫

牧草の高さが15−20cm位から収穫可能です
早くモルに与えたい気持ちをガマンして、ひたすら葉が成長するのを待ちましょう
特に、ある程度の量を、何日も連続して与えるような時は、出穂するくらいまで育った牧草を与えることをお勧めします

イタリアンライグラスの成長したところです。モルに少量を毎日与えるか、 一度にお腹いっぱい与えるかは、あなた次第です

発芽後に「間引き」をしていないと、成長が悪くなりますのでご注意下さい
ライグラス


茎の部分を残して脇に伸びた葉をハサミで切り取ります
(写真の赤い線の所で切ります)
1本ごと切らなくてはならないために時間は掛かりますが、茎の部分を残すことで次の刈り取りが早くに出来ます
刈り取ったライグラス
また、右の写真のように茎の部分から刈り取る事も可能です





刈りたて おいしーい
収穫したての
イタリアンライグラスです
口いっぱいに頬張って
バクバク食べるモコ
これだけ良く食べてくれると栽培する甲斐がありますね!


たくさんの生牧草が収穫できたとしても、生牧草だけを与えて育てるような極端な飼育は避けましょう。 これは、栄養の片寄りや歯の状態など、さまざまなトラブルを防ぐためです
収穫した量に応じて、量の少ない時はおやつ代りやコミュニケーションの道具として、たくさんの時は 野菜の代りとして与えてください

膝の上で抱っこしているときに、牧草を一本ずつ与えると、より懐いてくれるようです


4.その他

・牧草はどれにしよう
お勧めする牧草はチモシーとイタリアンライグラスです。目的によって使い分けすると良いでしょう

多年草のチモシーは1度種をまけば、数年にわたって収穫することが可能です。イタリアンライグラスのほうは、 とにかく初期成長がとても良いので、早くから収穫できます
また、両方とも寒さに強い品種なので、気をつければ楽に冬越しが出来ますし、室内栽培などで工夫すれば、 真冬に収穫することも出来ます

また、最近は「ネコの草」と言うポットで発芽させた状態のものが、猫などのペットの毛玉を予防するために 売られているのをペットショップやホームセンターなどで見かけるようになりました
これは、「えん麦」の種を発芽させたもののようですが、これも牧草同様に繊維質が豊富なので、 牧草の種が手に入らない時は利用してみるのも良いと思います
同時に、「えん麦」の種もホームセンターで売られていました。商品名はさまざまですが、商品パッケージをよくみれば、 「えん麦」または「燕麦」と書かれています。種の大きさから想像すると、イタリアンライグラスと 同じくらい成長が早いと思います


・追肥
初めての土で栽培した牧草は、追肥の必要はいりません。ただし、何度も刈り入れを行っているうちに追肥が 必要になってくるでしょう
追肥の目安としては、「葉の色が薄くなった時」は肥料切れの可能性がありますので追肥を行います
(葉の色については、発芽後の葉の色を覚えておくと分かりやすいと思います)

皆さんもご存知の通り、植物の成長にはN・P・K(チッソ・リン酸・カリ)が必要ですので液肥などを使って追肥をします

追肥の肥料濃度については、管理がもし可能であれば「肥料切れに近い状態」で栽培するのが良いと思いますが、 いずれにせよ「最低限の追肥」をお勧めします
なぜなら肥料の中の、特に窒素分を多く与えすぎると一般的に「硝酸塩」が多くなると言われているからです
それが草食動物の体内に取り込まれると亜硝酸による中毒を起こす「おそれ」があるという話をよく聞きます (うちの3匹にその症状は見られませんのであまり心配はしていませんが)
乾燥牧草の場合は硝酸塩の心配はないそうです

安全な牧草を栽培するポイントとして、特に窒素分を多く与えすぎたり、または「あまりに早い刈りとり」をしたものは 硝酸塩が「より蓄積された」状態となる場合がありますので、「より安全な牧草」を育てると言う意味で、覚えておいてください

なお、肥料を選ぶ際もチッソ分の比率が少ないものを探すのも良いかも知れません



チモシーも現在栽培中ですが、イタリアンライグラスよりも成長が遅いので、後日レポートをお送りする予定でいます

用土のリサイクルなどについても報告しようと思います


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